【5月病】新人PT(理学療法士)が辞めたくなる理由ランキングとその対処法
「もう辞めたい…」
PT(理学療法士)として働き始めて1ヶ月。最初はやる気に満ちていたのに、今は朝がつらくて出勤が憂うつ…。
そんなふうに感じている新人PT(理学療法士)の方、実は”5月病”が原因かもしれません。
本記事では新人PT(理学療法士)がこの時期に辞めたくなる理由ランキングを紹介するとともに、筆者自身がどう乗り越えたのか、その対処法もお伝えします。
「つらい」と感じているのは、あなただけではありません。一緒に、少しでも心が軽くなるヒントを見つけましょう。
新人PT(理学療法士)が辞めたくなるのは”5月”に集中する理由とは?

新人PT(理学療法士)が辞めたくなるのは5月に集中する理由は以下の3つにあります。
環境の変化による「5月病」がピークに
4月は緊張感と新鮮さで乗り越えられても、5月に入ると一気に疲れが出てくる時期です。
精神的にも肉体的にもストレスが蓄積し、「5月病」と呼ばれる状態に陥る人が増えています。
特に新人PT(理学療法士)は、初めての医療現場、慣れない人間関係、患者対応など刺激が強く、消耗しやすいのも大きな原因です。

GW明けの連休後は疲労感がすごいよね・・・
失敗が続いて「自信喪失」しやすい
- 患者さんとの関わりがうまくいかない
- 先輩に何度も注意される
- 記録や報告に時間がかかって残業ばかり
こうした「うまくできないたい体験」が続くことで、自己肯定感がどんどん下がってしまいます。



「自分は向いていないかも…」と感じのる人の多くは、この時期に考えることも…
周囲と比較して焦りが強くなる
同期が患者さんをどんどん任されているのに、自分はまだサブ担当ばかり。
そんなとき、「自分だけ成長できていない」と焦りと不安が募ってしまいます。
でも実際は、現場の状況や上司の判断、運などさまざまな要因があります。



「担当が少ない=ダメ」ではないことを知っておくことも大切だよ。
新人PTが辞めたくなる理由ランキング【TOP5】


第1位:仕事についていけない(覚えられない)
現場に出て最初にぶつかる壁が「覚えることが多すぎて頭がパンクする」という悩みです。
解剖学や疾患知識、評価の流れ、カルテの書き方、上司の報告など
どれも学生時代に習った内容とはまるで違います。
「何度教わっても忘れてしまう」「先輩に質問しづらい」と感じると、自己嫌悪に陥りがちです。
でもこれは、誰もが最初に通る”覚えられない時期”です。
繰り返し実践する中で少しずつ身につくので、焦らずに自分のペースを信じていきましょう。
第2位:先輩・上司との関係がうまくいかない
PT(理学療法士)の現場では、プリセプター制度やOJTを通して、先輩から直接指導を受ける機会が多いですが、その分、人間関係のストレスも生まれやすいです。
- 指導が厳しすぎて辛い
- 質問すると嫌な顔をされる
- 理不尽な注意や当たりがきつい
そんな状況が続くと、「この人と毎日関わるのが嫌だ…」と感じ、職場そのものが辛くなってしまいます。
職場に信頼できる人が1人でもいれば、気持ちも大きく変わることも。同期や他職種の人に気軽に相談できる環境を持つことがカギです。



周りとの関係構築をしっかり図っていこう!
第3位:休みが取れない/体力的にきつい
リハビリの現場は、体力勝負な一面もあります。
特に整形外科・病院・訪問リハビリなどで1日中立ちっぱなし、動きっぱなしというケースも多く、慣れ何うちは帰宅後に何もできないほど疲れてしまうことも。
さらに、「残業が多い」「休憩時間が取れない」など、働き方の大変さもメンタルに大きく影響します。
「体がもたない=この仕事向いていない?」と考えてしまいがちですが、体力や時間の使い方も徐々に慣れていくものなので、まずは体調管理(睡眠や食事など)、基本的なケアを意識してみてはいかがでしょうか?
第4位:給与や待遇が不満がある
新人PT(理学療法士)の初任給は、地域や施設によって大きく差がありますが、思っていたより低かった・・・という声も少なくありません。
- 拘束時間が長いわりには収入が少ない
- 先輩とあまり給与が変わらない
- ボーナスがほとんどない
とはいえ、1年目は「経験を積む時期」と割り切る人も多いです。2~3年後の働き方を見据えて”今はどう過ごすか”を考えることが大切です。
第5位:「この仕事向いてないかも」と思う瞬間
- 毎日同じことの繰り返しでつまらない
- 患者さんとのコミュニケーションが苦手
- 人のために働くって、自分には向いていないかも…
新人PT(理学療法士)はまだ、自分の得意な分野ややりがいを感じる瞬間に出会えていないことが多いです。
だからこそ、「この仕事向いてないかも」と感じやすいのは自然なことです。
大事なのは、「今はまだ分からない」と受け止めること。
配属や患者層が変わるだけで、仕事の感じ方も大きく変わります。今は、広い視野でいろんな経験を積むチャンスと捉えてみましょう。
新人PTが辞めたい気持ちを整理する3つの視点


「自分が悪い」と責めすぎないこと
- 「うまくいかないのは自分の努力が足りないから」
- 「向いてない自分が悪いんだ」
そんなふうに、自分を責め続けていませんか?
新人のうちは何が分からないかも分からない状態なので、できないことがあるのは当たり前です。
先輩たちもみんな、同じように悩んできました。
大切なのは、「できない=悪いこと」ではないと知ることです。
成長には時間がかかりますし、環境によって伸び方も変わります。
自分を責めるより、まずは「そもそも新人にできるわけがないよね」と視点を変えてあげることが、心を守る第一歩です。
辞める=悪ではないが、判断基準を持とう
「辞めるのは逃げ」「1年は続けるべき」という声に縛られていませんか?
実際、辞めること自体が悪いわけではありません。
合わない職場に無理して居続けるより、転職や環境を変えることで改善するケースもたくさんあります。
ただし、辞める前に考えておきたいのが、「何が原因でつらいのか?」とい点を明確にすることです。
- 職場の人間関係なのか
- 労働時間なのか
- 自分の目指す方向性とズレているのか
この整理ができていないと、転職しても同じ悩みにぶつかる可能性があります。
「どこなら自分は楽しく仕事ができそうか?」まで考えられると、次の一歩がグッと前向きになります。
「3ヶ月、半年だけ続けてみる」のも選択肢
「今すぐ辞めたい」という気持ちは、たいてい疲れやストレスのピークにいるときに生まれます。
そんなときは、一度「もう少しだけ続けてみる」という“猶予期間”を設けてみるのも1つの方法です。
例えば、
- まずは3ヶ月、1日1つずつ学ぶ
- 6月末まで頑張ってみて、まだつらければ次を考える
というふうに、ゴールを区切ることで気持ちが軽くなり、少し冷静に考える余裕が生まれます。
実際に、気持ちが落ち着いたことで「もう少し頑張ってみよう」と思える人も多いです。
一時の感情に流されず、自分のタイミングで判断することが大切です。
【新人PT時代】実体験|筆者が辞めたくなった時と、その時の乗り越え方


筆者が一年目の時に「辞めたい」と思ったことが正直ありました。
その事例をもとにどう乗り越えたのかを解説していきます。
脳梗塞の患者さんをよくしてあげられなかった
担当した脳梗塞の患者さんの回復が思うように進まず、「自分のリハビリが悪かったのかな…」「どうすれば良かったのかな?」と落ち込んだことがありました。
「患者さんの人生に関わっているのに、自分には力が足りない」と思って、本気で辞めようか悩んだ時期でした。
でも、そのとき先輩に連れられて行った勉強会から「勉強して自信をつけること」を選びました。
- 休日や業務後に脳卒中リハのセミナーや勉強会に参加
- 評価や治療手技を業務後に先輩を見つけて教わる
- 実際の患者さんで実践→少しの変化が出て「自分でもいい方向にできた」と思えた
知識や技術を身につけることで、「もっと良くできる方法があるはず」と前向きに考えられるようになりました。



逃げるよりも、「もう少し力をつけてみよう」と動いたことが自信に繋がったよ。
先輩から”何回言わせるんだ!”と怒鳴られた
恥ずかしながら、一年目の時は「メモを取らない」、「敬語が使えない」、「お礼を言わない」のダメダメ人間でした。忙しい業務中、指示を忘れてしまったことで、先輩に強く怒鳴られたことがありました。



「何回言わせるんだ」と声を荒げられ、怖さと悔しさで頭が真っ白になったのを覚えてます。
何してもダメダメな自分は「社会不適合者なのかな?」と思い始めたときに怒鳴られた先輩からアドバイスをもらう機会があり、実践しました。
- 先輩がどういう仕事を任されていて、なぜイライラしていたのか考える、相手の気持ちを理解する。
- 指示の背景や流れを”先読み”してメモを取るようにした
- 怒られた内容を「どこが足りなかったのか」と本や資料で確認して勉強
- 第三者目線を考えれるような行動と配慮をする
アドバイスのおかげもあってか、仕事全体の流れをつかんで”信頼される動き”を意識できるようになりました。
繰り返すことで、ミスも減り、少しずつ関係も改善していきました。
同期は成長しているのに、自分だけ担当が少ない
周りの同期がどんどん患者さんを任されている中で、自分だけ担当が少なく、「成長していないのは自分だけなんじゃないか…」と焦り劣等感に苦しみました。
でも、ただ落ち込んでいても何も変わらないと思い、行動することに決めました。
- 担当数が少ない理由=「リスク管理への不安」と捉え、レッドフラッグの勉強、介助練習を業務後行った。
- 主任に「同行リハをお願いできませんか?」と素直に相談
- 患者さんの病態や注意点を勉強して、先輩に自分の考えを伝えた
そうすると、徐々に「〇〇さんは任せても大丈夫」と判断してもらえるようになり、担当数も増えてきました。
同期と比べるよりも、”昨日の自分と比べる”ことで成長を実感できるようにりました。
まとめ|新人PTが「つらい今」を乗り越えるためにできること


新人PT(理学療法士)として働き始めた今、「もう限界かもしれない」「自分だけうまくいっていない」と感じているなら、それは決してあなただけではありません。
むしろ、その苦しさはあなたが患者さんや職場に本気で向き合っている証拠です。
つらい時期に大切なのは、以下の3つです。
- 自分の気持ちを否定しないこと(「つらい」と思ってもOK)
- 小さな行動を積み重ねること(勉強でも相談でもOK)
- 自分の成長を焦らないこと(人はすぐに成長しません。一歩ずつで大丈夫)
5月は「頑張り続けた心と体」が一度ブレーキをかける時期です。
今は無理せずに、少し休んでも大丈夫です。
この先、あなたの知識や経験が患者さんの力になる日が、きっとやってきます。
今は、”自分を信じて”、ほんの少しだけ前に進んでみてください。