理学療法士が訪問リハビリに転職して後悔しないために知っておくべき7つのこと

この記事で解決できる悩み
  • 訪問リハビリに転職したいけど、仕事内容や1日の流れが不安で一歩踏み出せない
  • 訪問リハビリの給与や働き方が気になるが、求人票だけで判断できない
  • 自分が訪問リハビリに向いているのか、失敗せずに転職できるのか知りたい

と疑問に思っている方の悩みを解決できる記事になっています。

「病院勤務、そろそろ限界かも…訪問リハビリってどうなんだろう?」

筆者(元回復期リハビリ病院PT)もそう思って転職したけど、正直”最初は後悔しかけた”…。

理学療法士として働いていると、訪問リハビリへの転職を考える時期が必ず来ます。

でも、調べてみても分からないことだらけですよね。

この記事では、実際に訪問リハビリに転職した筆者の体験談をもとに「転職前に知っておくべきリアルな7つのこと」をまとめました。

後悔しない訪問リハビリ転職のために、ぜひチェックしてください。

リハゾウ

人事/面接&教育担当

経験年数10年目の理学療法士。

これまで回復期病院▶︎訪問リハビリ▶︎整体▶︎整形外科のクリニックと3回の転職を経て、

月給20万後半/年収400万以下から現在約月給45万/年収500万以上アップに成功!

過去に回復期病棟のリーダー、整体院グループではエリアマネジャー兼教育&人事担当

目次

【訪問リハビリ】後悔しないために知っておくべき7つのこと

後悔しないために知っておくべき7つのことは以下の通りです。

訪問リハビリ:知っておくべき7つこと
  • 訪問のスケジュールは”想像よりハード”
  • 給料は高いけど”安定しない”こともある
  • 未経験OK=フォローが手厚い、とは限らない
  • 保険制度の知識が必須になる
  • 書類&タブレット操作が地味に大変
  • 緊急対応のプレッシャー
  • 向いている人・向いていない人の特徴

一つずつ解説していきます。

1.訪問のスケジュールは”想像よりハード”

訪問リハビリでは、「1日5〜6件」訪問するのが一般的です。1件あたり40分〜60分のリハビリを行い、さらに各訪問の合間に移動や記録が発生します。

例)1日の流れ

STEP
情報をカルテで確認(8時30分〜)

車の中で医師、看護師さんのカルテ情報や入院・キャンセルが無いか電子カルテで確認します。

「持参されたipad、スマホでカルテや報連相を主に行います。」

STEP
訪問先近くの場所で情報収集(8時45分〜)

患者様の状態・状況整理し、把握

どんなリハビリを行うか計画を立てます。

STEP
訪問①〜③件(9時00分〜11時40分)

訪問の間でケアマネさんへの連絡や看護師・上長との報連相

移動やトイレ休憩などをしています。

STEP
休憩(12時00分〜13時00分)

休憩時間は車の中で過ごしたり、昼ごはんを食べにいくなど自由です。

次の訪問場所に合わせて、近くの場所で食べることが多かったです。

STEP
訪問④〜7件(13時00分〜17時00分)

午後の訪問は5件の日もあれば多い時で7件の時もありました。

給料を多くもらいたい月などはインセンティブもあるので頑張った月もあります。

STEP
記録・業務(17時00分〜18時00分)

車を停めて1日訪問した患者様の記録を電子カルテに記入して帰宅。

「直行直帰でラクそう」と思う人もいますが、意外とハードなスケジュールで、体力や段取り力が求められます。

給料は高いけど”安定しない”こともある

訪問リハビリの給与は「歩合制」や「訪問件数に応じてインセンティブ」があるケースが多く、病院勤務より高収入を目指せる反面、安定しにくいリスクがあります。

体験談(例)
  • 訪問1件あたりの手当が2,000~4,000円
  • 患者さんのキャンセルや体調不良で件数が減ると、その月の収入ダウンとなる
  • 曜日ごとの訪問ルートが安定するまではバタつきがある

固定給+インセンティブの事業所や「最低保証がある」求人を選ぶと安心だよ。

未経験OK=教育体制が手厚いとは限らない

求人票に「未経験0K」とあっても、それが教育体制が整っているという意味とは限りません。

中には「すぐに単独訪問してほしい」という前提の事業所もあります。

最初は、1人で!って戸惑ったことも…

面接・見学で確認するポイント
  • 同行訪問は何回あるか
  • 新人研修やマニュアルの有無
  • 初回訪問の計画・書類作成のフォロー体制

訪問リハビリでは”1人で判断する場面”が多いので、最初にきちんと教えてくれる職場を選ぶことが大切です。

医療・介護保険の知識が必要

訪問リハビリでは、介護保険・医療保険の違いやルールを理解することが必須です。

病院では事務が処理してくれていた保険内容や請求も、訪問ではPT(理学療法士)自信が把握しておく必要があります。

よくある疑問
  • 医療と介護、どちらで請求すべきか?
  • 週に何回まで訪問して良いのか?
  • 退院直後や状況変化時の算定ルールは?

教育体制が整っていれば、事務の中で少しずつ学べますが、「勉強する前提」で転職する心構えは必要です。

書類&タブレット操作が地味に大変

訪問リハビリは記録の質が直接評価や監査に繋がるため、書類業務がかなり重要です。

また、タブレットやスマホを使ってもその場で記録するスタイルの職場も増えており、IT操作に不安がある人は要注意です。

注意ポイント
  • 記録が遅れると業務時間が伸びがち
  • 保険のルールに沿った記録を求められる
  • 利用者宅でWi-Fiが使えないこともある(オフライン記録機能の有無を確認

移動中はWi-Fiや電波の良いところを確認しておくことも重要だよ

緊急時に”すべて自己判断”という緊張感がある

病院では上司や医師がすぐに対応してくれますが、訪問リハビリは基本的に「1人で判断しなけばなりません」。

体験談(例)
  • 利用者が急に体調を崩したとき
  • 転倒してしまったとき
  • 同居家族とのトラブルが発生したとき

万一に備えて、緊急時の連絡体制やバックアップ体制がしっかりしているかを転職前に確認しておこう。

向いている人・向いていない人がハッキリ分かれる

訪問リハビリは向き不向きが明確に出やすい職種です。

向いている人
  • 1人で行動するのが苦じゃない
  • 柔軟に対応・判断できる
  • ご家族や高齢者との会話が好き
向いていない人
  • 常に誰かと連携して動きたい
  • 慣れのに時間がかかるタイプ
  • 外回りや移動が苦手
  • 運転するのが苦である

時間管理が苦手な人はストレスになるかも・・・

転職してから「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないためにも、自分の性格・働き方の好みと照らし合わせて判断しましょう。

【筆者の体験談】訪問リハビリに転職して感じたギャップとやりがい

筆者が「回復期リハビリ病院」から「訪問リハビリ」に転職したときに感じたリアルなギャップ、そして最終的に見つけたやりがいについてお話しします。

病院時代は”守られていた”安心感があった

筆者が働いていたのは、回復期リハビリ病棟のある病院でした。チーム医療が中心で、医師・看護師・SWなど多職種でのカンファレンスもあり、わからないことがあればすぐに相談できる職場でした。

教育体制もしっかりしていて、新人でも「困ったら誰かが助けてくれる」という安心感の中で働けていたと思います。

▶︎回復期リハビリ病院についてもっと詳しく知りたい方はこちら

訪問リハビリに転職して最初にぶつかった”孤独感”

訪問リハビリに転職して最初に感じたのが、「あれ、全部自分がやらなきゃいけないじゃん?」という戸惑いでした。

同行期間もあったものの、いざ1人で訪問に行くとなると、不安だらけでした。

  • 急に利用者さんの体調が悪くなったらどうしよう…
  • リハビリ内容、本当にこれでいいのかな…
  • 記録やタブレット入力、慣れない!
  • 利用者の家に辿り着けるかな?、遅刻しないかな?

病院では”誰かが見てくれていたけれど、訪問は完全んい「自分が判断して動く」世界です。

最初の数週間は正直けっこう怖かった…

それでも続けてわかった「訪問リハビリならではのやりがい」

でも不思議なもので、1ヶ月、2ヶ月と続けていくうちに少しずつ慣れてきました。そして、ある利用者さんに言われた言葉が忘れられません。

先生が来てくれる元気が出るんよ。毎週この時間が楽しみなんだよね。

この一言で、「訪問リハビリって、こんなにも人の心に寄り添えるんだ」と気づきました。

さらに、病院と違って「生活の場」でリハビリを行うので、自分が提案した内容がすぐに実践され、ADLの改善が目に見えてわかります。

回復期では感じられなかった、「自分のリハビリで誰かの生活が本当に変わっている」という実感が、今の一番のやりがいです。

訪問リハビリは向き不向きがある。でも筆者はこの選択に後悔してません。

もちろん、訪問リハビリには合う・合わないがあると思います。

孤独に感じる瞬間のあるし、判断を求められる場面も多い

でもその分

  • 自分らしいスタイルでリハビリができる
  • 利用者さんや家族と深い信頼関係が築ける
  • 成果がダイレクトに感じられる

こんな働き方ができるのは、訪問リハビリならではです。

「思い切って転職してよかった」と今でも心から思っているよ

訪問リハビリを選ぶ前に確認しておきたいチェックリスト

訪問リハビリへの転職を考えるとき、職場選びのポイントをしっかり確認することが何より大切です。

思っていた働き方と違って後悔しないために、以下のチェックリストで要点を整理しましょう。

チェックリスト
  • 固定給or歩合給か?訪問数による変動は?
  • 初心者の教育体制は?同行は何回?
  • 記録はタブレットor紙?
  • 緊急時の連絡体制はあるか?
  • 車の提供や交通費支給は?

固定給or歩合給か?訪問数による変動は?

訪問リハビリでは、給与体系が大きく2パターンあります。

  • 固定給制:安定して収入が得られるが、訪問件数が増えても給与に反映されにくい
  • 歩合給制:訪問件数に応じて収入が増えるが、利用者キャンセル等があると収入が減る可能性あり

どちらもメリット・デメリットがあります。

自分のライフスタイルや収入の希望に合った給与体系か、面接時に必ず確認しておきましょう。

歩合給制の場合、「1件あたりの単価」や「最低保証の有無」も要チェック。

初心者の教育体制は?同行は何回?

訪問リハビリが初めての方にとって「どれだけ丁寧な同行指導があるか」はとても重要です。

  • 同行期間の目安(1週間程度〜1ヶ月以上など)
  • 最初の1〜2件は先輩が付き添ってくれるか
  • 記録の書き方や訪問時のルールも教えてもらえるか
筆者の体験談

筆者は3週間の同行期間があり、実地で細かいアドバイスをもらえたので安心して独り立ちできました!

記録はタブレットor紙?

意外と重要なのが記録の方法です。

  • タブレットやスマホ入力:業務効率が良いが、ITに慣れていないと戸惑うことも
  • 紙記録:書きやすいが、転記や整理に時間がかかる

最近はICT化が進み、タブレット記録の事業所が増えています。

ただし、操作方法やサポート体制も確認しておくと安心です。

緊急時の連絡体制はあるか?

1人で訪問していると、急な体調変化や事故対応などのリスクがあります。

  • 上司や管理者にすぐ連絡できる体制はあるか?
  • 24時間電話対応している?
  • 緊急マニュアル(転倒・発熱など)はあるか?
重要

「とにかく現場で判断して!」というような体制の事業所は避けた方が無難です。

車の提供や交通費支給は?

移動手段も要チェックポイントです。

  • 自家用車を使うのか、社用車が貸与されるのか?
  • 交通費は全額支給されるか?ガソリン代や駐車場代の補助は?
  • 自転車・原付での訪問の場合、雨の日は対応は?
筆者の体験談

筆者の場合は、社用車を貸してもらえて、ガソリン代も会社負担。駐車場も法人契約だったので、安心して運転できました。

【訪問リハビリQ&A】よくある質問

訪問リハビリって聞いたことあるけど、「実際どうなの?」って思いますよね。

そんなあなたに向けて、現場の視点からリアルなQ&Aをまとめました!

訪問リハビリって本当に1人で全部やるの?

基本的に1人で訪問しますが、事業所内での情報共有やサポート体制が整っているところが多いです。

訪問中にトラブルがあったらどうするの?

事業所によって、訪問中の緊急マニュアルが用意されており、体調不良・転倒・家族対応などに備えられています。何かあった場合は、管理者や看護師にすぐ電話で連絡できる体制があるかも面接時に確認しましょう。

訪問って運転が必須?

多くの場合は車移動で運転が必須です。しかし、地域によっては自転車や徒歩での訪問もあります。

記録や業務量は病院より大変?

病院に比べると、「○時にリハビリしなさい」といった縛りがない分、自由度は高い反面、スケジュールや記録は自分でしっかり管理する必要があります。

給与はどのくらい?歩合って不安…

収入は「件数」と「制度」によります。固定給・歩合給があり、事業所によって大きく異なります。1日5〜6件訪問して、月収25万〜30万程度が相場ですが、歩合給で件数が少ないと給与は安定しないケースも。

訪問リハビリは「不安」が先に立ちやすいですが、その分やりがいや自由な働き方ができる魅力的な選択肢です。

転職前にこうしたQ&Aをチェックして、自分に合っているかをじっくり検討してね

【まとめ】訪問リハビリ転職で後悔しないために

訪問リハビリは、やりがいや成長を感じられる魅力的な働き方ですが、病院とまったく違う環境であるため、事前の情報収集が何より大切です。

この記事で紹介した7つのポイントは、すべて実際に現場で働いている理学療法士が「転職前に知っておけばよかった…!」と感じたことばかり。

もう一度ポイントをおさらいしておきましょう。

訪問リハビリ:知っておくべき7つこと
  • 訪問のスケジュールは”想像よりハード”
  • 給料は高いけど”安定しない”こともある
  • 未経験OK=フォローが手厚い、とは限らない
  • 保険制度の知識が必須になる
  • 書類&タブレット操作が地味に大変
  • 緊急対応のプレッシャー
  • 向いている人・向いていない人の特徴

あなたの「転職の軸」はどこにありますか?

自分にとっての優先順位を明確した上で、見学・面接時に「どれだけリアルな情報を引き出せるか」が成功の鍵です。

転職は環境を変えるチャンス

環境に流されるのではなく、「自分が納得して選んだ」と言える職場に出会ってほしい。

そのために、この記事の内容を転職前のチェックリストとしてぜひ役立ててくださいね。

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この記事を書いた人

理学療法士として、
これまで
・回復期病院
・訪問リハビリ
・整体
・整形外科のクリニック を経験。
これまでの転職をしてきた成功体験、失敗体験や自ら面接担当、人事担当、教育担当の経験から云えることや実体験を発信していきます。

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