【後悔】訪問リハビリに転職して気づいた“5つの甘くない現実”
「訪問リハビリ=自由でゆったり働ける」
そんなイメージを持っていませんか?
実は僕もそう思って転職を決めた一人です。
病院勤務の忙しさから解放されて、もっとマイペースに働けるはず――。
そう信じて訪問リハに飛び込みましたが、待っていたのは想像以上に厳しい現実でした。
本記事では、訪問リハビリに転職してはじめて気づいた「5つの甘くない現実」について、僕自身の実体験をもとにお伝えします。
- 仕事内容の厳しさ
- 1人で抱えるプレッシャー
- 表には出ないリアルな悩み
これから訪問リハへの転職を考えている方にとって、「後悔しない選択」をするためのヒントになれば幸いです。

リハゾウ
人事/面接&教育担当
経験年数10年目の理学療法士。
これまで回復期病院▶︎訪問リハビリ▶︎整体▶︎整形外科のクリニックと3回の転職を経て、
月給20万後半/年収400万以下から現在約月給45万/年収500万以上アップに成功!
過去に回復期病棟のリーダー、整体院グループではエリアマネジャー兼教育&人事担当
「訪問リハビリを辞めたい」と強く感じた5つの理由
「訪問リハビリ=自由でマイペースに働ける」
そんな理想を胸に転職した僕でしたが、わずか1ヶ月で「もう辞めたい」と思うようになりました。
右も左もわからないまま現場に放り込まれ、トラブルの連続。
精神的にも体力的にも、想像以上に過酷だったんです。
ここでは、実際に僕が辞めたいと感じた5つの理由を、体験を交えてお話しします。
① 頑張っても給料に反映されない「インセンティブなしの職場」
僕が入職した訪問リハの職場には、インセンティブ制度がありませんでした。
つまり、訪問件数が多かろうが、頑張って残業しようが、お給料はずっと固定のまま。
訪問リハでは、件数に応じて報酬がプラスされる職場も多いことを、後から知りました。
正直、「なんで頑張ってるのに、何も評価されないんだろう」と虚しくなることも。
件数が増えれば増えるほど忙しくなるのに、給料が変わらないとなると、
「ただ疲れて終わるだけの仕事」になってしまい、モチベーションも下がりました。
② 利用者のやる気がなく、「自分の存在意義」がわからなくなった
病院勤務時代は、患者さんが回復に向かってリハビリを頑張る姿が見られました。
でも、訪問リハの現場は違います。
訪問する多くの方は、退院後の生活が落ち着いてしまっていて、
すでにゴール(=退院)が終わっている状態。
やる気のない利用者さんが本当に多くて…
- 「今日はもういいわ」とリハビリを断られる
- お茶を飲んで終了
- 散歩だけで終わる
- 話して終わる
こういうケースがあまりに多くて、次第に僕自身も「なんのために国家資格を取ったんだろう」と、気持ちが沈むようになりました。

「この仕事、僕じゃなくてもいいんじゃないか」と感じた瞬間、すごく苦しかったです。
③ ご自宅ごとの環境とルールが、地味に強烈なストレスだった
訪問リハでは、患者さんの自宅にお邪魔してリハビリを行います。
これは、病院勤務では経験できない大きな違い。
当然ですが、ご家庭ごとに環境やルールがまったく違うんです。
- 潔癖でアルコール消毒を徹底しないと怒られるお宅
- ゴミが散乱し、床がベタベタしているような環境
- 物が多すぎて、まともに体を動かせないスペース
こうした環境に毎日対応するのは、想像以上にメンタルを削られます。



僕は常に靴下を数枚持ち歩き、消臭スプレーも必須。
毎回「今日はどんな家かな…」とビクビクしていたのを覚えています。
④ 渋滞・駐車・道に迷う…時間管理のストレスが地味にキツい
訪問リハでは、1日のスケジュールを自分でしっかり管理しないといけません。
「〇時にあの家、〇時半に次の家」と、分刻みでの移動が基本です。
でも、実際はそんなにうまくいきません。
- 渋滞に巻き込まれる
- 駐車場が見つからない
- 家が分かりづらく、道に迷う
- マンションで管理人を通す必要があり、時間がかかる
こういったことがほぼ毎日起こるんです。



遅刻しそうになると、心臓バクバク。車を停めて猛ダッシュ…なんてことも日常茶飯事でした。
一件でも予定が狂えば、その後のすべての予定に影響が出ます。
これが続くと、常に時計とにらめっこしているような精神状態になり、正直かなりしんどかったです。
⑤ ケアマネとの人間関係に苦しみ、「仕事に行きたくない」と感じた
訪問リハでは、ケアマネージャー(ケアマネ)との連携が欠かせません。
しかし、この人間関係がうまくいかないと、ものすごいストレスになります。
僕が担当していたケアマネは、意見がまったく合わず、連絡するたびに嫌な気持ちになっていました。
- 状況報告をしても「上司に言ってください」と冷たく返される
- 電話の声のトーンが常に不機嫌
- 必要な情報を共有してくれない
こういうやりとりが続くと、



「もうこの人と仕事したくない…」
と本気で思うようになってきます。
僕はついに、「担当を代わってほしい」と上司にお願いしました。
病棟でも人間関係はありますが、訪問は1対1の関係が深くて、逃げ道が少ない。
合わない相手がいると、それだけで「仕事に行くのが嫌になる」ほどのストレスになります。
訪問リハビリで働いて後悔した3つの「勘違い」
訪問リハビリは「自由そう」「楽そう」というイメージから、病院勤務からの転職先として選ばれがちです。
しかし、実際に働いてみると「思ってたのと違った…」というギャップに悩む人も少なくありません。
ここでは、よくある“3つの勘違い”は以下の通りです。
- 「自由に動ける」=好きなように働ける?
- 「1人で完結」=気楽に働ける?
- 「病院より楽」=体も心もラクになれる?
勘違いしたくない方は一緒に確認しておきましょう。
①「自由に動ける」=好きなように働ける?
訪問リハは病院のように時間割が厳しくないため、「自由度が高い」と思われがちです。
しかし、実際はスケジュールが分刻みで埋まっており、自己管理能力が求められます。
- 1日6〜7件の訪問があり、移動も全て自分で対応
- 患者さんの急なキャンセルで空白時間ができる
- その時間も「自分で管理・報告」する必要がある
自由に見えて、責任と時間管理の自由も“自分持ち”になる仕事です。



自由=気楽だと思ってたけど、全部自己責任ってことか…
最初は結構しんどかったな
②「1人で完結」=気楽に働ける?
訪問は基本的に単独で動くため、「人間関係のストレスが減る」と思われがちです。
でも実際は、“孤独”と向き合う時間が圧倒的に増えます。
- 困ったときにすぐ相談できる人がいない
- 何かあっても一人で判断・対応しなければならない
- 雑談やチーム感が恋しくなる瞬間もある
気楽さの裏には、相談できる“仲間の不在”という大きな代償がある。



昼休憩も車の中で一人…たまには誰かとくだらない話したいんだよ、ほんとに。
③「病院より楽」=体も心もラクになれる?
訪問リハは「ベッド上の重介助がない」「時間に追われない」といった印象から
体力的にも精神的にも“楽”と思われがちです。
でも実際には、別のしんどさがあります。
- 外回りで夏は灼熱・冬は極寒(しかも制服)
- 患者宅での対応に気を遣う(家族・環境も含めて)
- 評価や記録も1人で完結。相談相手がいないプレッシャー
「楽」は“業務内容”ではなく「自分との相性」によって決まります。



「たしかに腰はラクだけど、精神的な疲れは病院より増えてるかもしれない…」
【後悔】訪問リハビリに向いていない人の特徴5選
訪問リハビリには、病院とはまったく異なる独自の“しんどさ”があります。
自由に見えて、実は「すべて自分で判断しなければならない」ことの連続。
そのため、合わない人にとっては毎日がプレッシャーになります。
以下のような特徴がある人は、訪問リハに向いていない可能性が高いです。
- 一人での判断が苦手な人
- 急な変更やハプニングに弱い人
- 時間管理・段取りが苦手な人
- 相手に踏み込みすぎる or 距離を置きすぎる人
- モチベーションの波が激しい人
訪問リハビリは、セルフマネジメント力がないと続かない仕事です。
「自由」=「楽」ではないです。
自立して動ける人でないと、むしろしんどく感じてしまいます。
後悔しないためにも一緒に確認していきましょう。
①一人での判断が苦手な人
訪問リハビリは、常に「その場で自分で判断」することが求められます。
上司も同僚もその場にはいません。すべての責任が自分にのしかかります。
- 利用者の急な体調変化に対応
- ケアマネや家族とのやりとりも一人でこなす
- 判断を間違えたらクレームや事故に直結
「自分で決断する責任」から逃げられないのが、訪問のリアルです。



「この判断、間違ってないかな…? 誰かに相談したい…けど、誰もいない…」



僕も最初は毎回ビクビクしてました。
②急な変更やハプニングに弱い人
「今日は5件訪問だから段取りバッチリ!」と思っても、当日になって全部ひっくり返ることも。
訪問リハは、予定通りにいかない前提で動く必要があります。
- 利用者が急に入院してキャンセル
- 他職種からの連絡で訪問ルート変更
- 雨や台風で移動が遅延
“イレギュラー対応”に慣れないと、毎日がストレスの連続になります。



「またキャンセル!?…え、次の人までの時間、どう潰そう…」



焦る日々に、心も体も消耗していきました。
③時間管理・段取りが苦手な人
訪問リハでは、1分のズレが全体のスケジュールを狂わせます。
移動・リハビリ・記録・報告…すべてを一人で管理しないと、即トラブルに。
- 利用者宅での滞在時間をオーバー
- 記録をその場で書き忘れて事務作業が深夜に
- 昼食や休憩時間も削られがち
「自己管理ができないと、生活そのものが崩れます。」



「気づいたらお昼抜きで3件目…夕方までトイレも我慢かぁ」



自分の時間、どこ行ったんだろう…。
④距離感がうまく取れない人
訪問リハでは、利用者との“ちょうどいい距離感”が求められます。
親しみやすさと、専門職としての線引き。そのバランスがとても難しい。
- 仲良くなりすぎて境界が曖昧に
- 冷たくしすぎて信頼関係が築けない
- 家族からのプライベートな相談も受けがち
「信頼されながらも、依存されすぎない距離感が必要です。」



「先生って、彼女いるの?って毎回聞かれるんだけど…笑」



ちょっと待って、それリハビリ関係ない…。
⑤モチベーションの波が激しい人
病院と違い、チームの目や同僚の刺激がない分、自分でモチベーションを維持する必要があります。
「今日はやる気が出ない…」では、仕事が回りません。
- 誰にも見られていないからこそサボりがち
- 評価もフィードバックも少ない
- 孤独感でどんどん無気力に
「“自分を律する力”がないと、いつの間にか腐ってしまいます。」



「今日、もう行きたくないな…サボろうかな…」



気づけばそんな考えばかりになってました。
訪問リハビリに転職して後悔する前に知っておきたい“リアルQ&A集”
「求人票だけじゃわからない…」
そんな不安を少しでも解消できるよう、現場でよくある疑問に実体験をもとにお答えします。
【まとめ】訪問リハビリに転職して気づいた“甘くない現実”とは
訪問リハビリは、自由でゆったりとした働き方ができる——
そんなイメージだけで飛び込んでしまうと、思わぬギャップに苦しむことになります。
今回お伝えした5つの“甘くない現実”を振り返ると、以下のようなことがありました。
- 1人で判断を迫られる責任の重さ
- 患者・家族との距離が近すぎるプレッシャー
- 思っていたほど「ゆったり」ではない1日のスケジュール
- 曖昧な評価基準と売上プレッシャー
- チーム連携の希薄さによる孤独感
「合う人」には最高の職場だけど、「合わない人」にとっては苦痛になりやすい働き方です。
後悔しないために|転職前にやっておくべきこと
もしあなたが訪問リハへの転職を検討しているなら、以下のステップを踏んでおくことをおすすめします。
- 見学・体験同行を通じて実際の現場感を確かめる
- 自分が「1人で決める責任」に耐えられるタイプかを振り返る
- 訪問件数・売上・移動距離など、具体的なノルマや制度面を確認する
- 困った時に相談できるサポート体制の有無を確認する



「自分にとって無理なく続けられる働き方か?」を見極めることが、
後悔しないカギです。
最後に|自分に合った働き方を選ぶために
訪問リハビリという働き方には、大きなやりがいがあります。
でもそれは、「自分に合っている」と心から思えたときだけ。
「〇〇が楽そうだから」「人間関係がラクそうだから」
そんな理由だけで飛び込むと、必ずしんどくなります。
逆に、「〇〇を実現したい」という明確な目的があるなら、訪問リハは素晴らしい選択肢になるはずです。
僕自身、後悔もありましたが、いろんな経験を経て「自分にとって合う働き方」が少しずつ見えるようになりました。
あなたが自分らしく働ける職場に出会えることを、心から願っています。